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懐紙とは?大人の女性なら知っておきたいシーン別の便利な使い方

茶道や和食のマナーに欠かせない「懐紙(かいし/ふところがみ)」。格式ばったもののように思えますが、自宅で気軽に使ってみたりバッグに収めて持ち歩いてみたりすると、実は日常使いできる場面がたくさんあることに気づくでしょう。
さらに、美しい和紙でできた懐紙を使うことで、何気ない動作にも品格が生まれます。ワンランク上の大人の振る舞いを目指すなら、ぜひ懐紙を使いこなしたいところです。

今回は、上品な大人の女性を目指す主婦の方に向けて、懐紙の便利な使い方をご紹介します。
茶道や和食のマナーに欠かせない「懐紙(かいし/ふところがみ)」。格式ばったもののように思えますが、自宅で気軽に使ってみたりバッグに収めて持ち歩いてみたりすると、実は日常使いできる場面がたくさんあることに気づくでしょう。
さらに、美しい和紙でできた懐紙を使うことで、何気ない動作にも品格が生まれます。ワンランク上の大人の振る舞いを目指すなら、ぜひ懐紙を使いこなしたいところです。

今回は、上品な大人の女性を目指す主婦の方に向けて、懐紙の便利な使い方をご紹介します。

1.持っていると便利な「懐紙」とは

昔は日本人に欠かせないアイテムだった懐紙。一体どのような使われ方をしていたのでしょうか?

 

●懐紙とは

日本人の普段着が着物だったころ、人々が着物の懐に入れて持ち歩いていた二つ折りの和紙を懐紙といいます。丈夫で柔らかい和紙の特性を活かして幅広い用途に使用され、現代のポケットティッシュのような携帯必需品でした。
懐紙の歴史は古く、平安時代の中期、貴族が和紙を身だしなみの道具やメモ帳として使い始めたのが始まりといわれています。

 

ほとんどの人が日常的に洋服を着るようになると、懐紙を懐中から出して使う様子も見られなくなりましたが、茶道をする人にとっては今も身近なアイテムです。茶席では、お菓子をのせたり茶器を拭いたりするために懐紙が使われています。

 

また、懐石料理など本格的な和食をいただく席でも、懐紙は活躍します。

●懐紙の種類

昔は半紙を折った大きめのサイズのものが懐紙として使われていましたが、現代の一般的な懐紙のサイズは、女性用が横145ミリ×縦175ミリ、男性用が横175ミリ×縦205ミリです。
茶席では、女性は女性用、男性は男性用を使うのが一般的ですが、普段使いなら特にこだわる必要はありません。使いやすいサイズのものを使いましょう。

 

和紙は吸水性の高さが特徴の一つですが、用途によっては使いにくいこともあるため、吸水性を抑える「にじみ止め」加工がされたものも作られています。
にじみ止めが入ったものと入っていないものを、目的別に使い分けると良いでしょう。

 

色や柄についても、お茶席で好まれる白無地の懐紙のほか、色付き無地のもの、文字や絵を型押しして浮き出し加工がされているもの、四季折々のイラストや模様が入ったもの、金箔入り和紙を使った高級感のあるものなど、さまざまな種類があります。風変わりなものには、和紙の一部がイラストの形に型抜きされているタイプなどがあります。実用的なだけでなく、見た目にも美しさや楽しさがあるのが、現代の懐紙の特徴です。

 

●懐紙の持ち運び方

着物を着ているときは、そのまま取り出しやすい懐中へ。さっと懐紙を取り出す仕草は、着物姿のときだからこその、こなれた感じを演出します。

 

懐に入れないで持ち歩くなら、懐紙入れに収めて持ち運びましょう。和小物や懐紙専門店などで販売されています。気に入ったデザインの懐紙入れがないなら、A5サイズの手帳カバーや文庫本のブックカバーを使ってみてください。懐紙を入れるのにちょうど良いサイズです。ハンドメイドが好きな人は、自分で作ってみるのも良いでしょう。

 

 

2.懐紙の使い方~料亭編~

料亭などで和食を楽しむときは、懐紙があると便利です。食事の最中の正しい使い方をご説明します。

 

●箸置きや箸袋の代わりに使う

正式な和食の席では、箸を食器の上に渡して置いたりするのはマナー違反です。箸置きが見当たらないときには懐紙で箸置きを作り、その上に置きましょう。

 

食べ終わったとき、これ以上はもういらないというとき、食事が終わったことを伝える方法に、「箸袋に箸を途中まで入れて余った袋の先を折る」という方法があります。箸袋がないときは、懐紙で箸袋を折って使いましょう。

 

●汚れや水滴を拭き取る

料理の器や飲み物のグラスなどを持ち上げるときに水滴が滴ってしまうようなら、懐紙で水滴を先に拭ってから持ち上げるとスマートです。万が一テーブルを汚してしまったときに、懐紙でさっと拭く用途にも使えます。おしぼりで拭きたくなるところですが、手を拭くためのものでテーブルを拭くのはマナー違反に当たります。口元を拭くときも、ハンカチではなく懐紙を使うと良いでしょう。

 

●受け皿や取り皿の代わりに使う

手で持ち上げられるサイズの器であれば問題ありませんが、和食では大きめの皿を持ち上げて食べるのはマナー違反です。しかし、口を食器に持っていくのも、手皿で口元まで運ぶのも避けたいところ。そういうときは、懐紙を受け皿にして箸で口元まで運ぶか、懐紙を取り皿代わりに料理を取って、手元に運んで食べましょう。

 

●食べ残しや使用済みのようじを隠す

魚の骨など食べかすが出たり、料理を食べ残してしまったりしたときは、そのままにはせず、懐紙で包むか、上からかぶせて隠してください。
使用済みのようじなどがあれば、それも懐紙に包んで隠します。

食べかすを包んだものなどは難しいですが、箸を拭ったりテーブルを拭いたりした使用済みの懐紙は、ゴミとして置いていかずに、小さく折りたたんで持ち帰るのがマナーです。

 

 

3.懐紙の使い方~外出先編~

外出時、バッグに懐紙を入れておけば、さまざまな場面で活躍します。
少し困ったときや、特別なことをしたいときの、懐紙の使い方を考えてみましょう。

 

●メモ用紙やメッセージカードとして使う

現代はスマートフォンでなんでも記録できて、メールやSNSのメッセージで発信することも簡単にできてしまいますが、あえて手書きのメモで記録を残してみるのはいかがでしょうか。昔の人が和歌や詩をしたためたように、その日訪れたお店の感想や、誰かと話して考えたことなど、思いを書き残してみるのも良いでしょう。

 

きれいな模様やイラストの入った懐紙に人に渡すメモなどを手書きすると、おしゃれなメッセージカードになります。一筆箋の便箋にするなど、ちょっとした手紙を書くのに使ってみるのも楽しいでしょう。

 

メモやメッセージを書くには、にじみ止めの入った懐紙が適しています。にじみ止めが入っていないものに書くなら、油性ボールペンなどインクがにじみにくい筆記用具を使用しましょう。

 

●ハンカチ・タオル・ティッシュペーパーの代わりに使う

和紙は丈夫で柔らかく、吸水性が高いので、手を洗った後にペーパータオルのように使えます。鼻をかむ紙としても、平安時代のころから利用されてきました。

 

●化粧直しの際に活用する

和紙は吸油性にも優れているので、あぶらとり紙として使ったり、口紅をつけた後に押さえたりするのにも適しています。合間に少し化粧を直したいときなどに活用してください。

 

●お札を包む

 

日本の伝統的な習わしの中に、お世話になった人に謝礼としてお金を渡す「心づけ」というものがあります。外国でいうチップのようなものですが、心づけはお金をそのまま渡さず、紙に包んでから渡します。

 

旅館で部屋についた仲居さんや冠婚葬祭でお世話になったスタッフなどに、サービス料以上のもてなしや手助けをしてもらったと感じたら、懐紙にお札を包んで渡しましょう。封筒や市販のぽち袋よりも、懐紙できれいに包んで渡したほうが、上品さがあります。
懐紙には慶弔を表す折り方があるので、冠婚葬祭の際に心づけを渡すときは、後述する折り方を守りましょう。

 

 

4.懐紙の使い方~自宅編~

自宅でも懐紙でひと手間掛けてみましょう。
実用性とおしゃれを兼ね備えた懐紙は、家での時間も楽しく彩ります。

 

●料理などの敷き紙として使う

和紙は吸水性だけでなく、吸油性にも優れています。懐紙をお皿に敷き、天ぷらなどの揚げ物をその上にのせると、余分な油を吸ってくれるほか、見た目にも上品な盛り付けになります。

 

茶席で和菓子をのせるように、自宅のティータイムでも、ケーキやクッキー、マカロンなどの洋菓子を懐紙にのせてみましょう。おしゃれ度がアップし、「うちカフェ」気分が高まるかもしれません。
水分の多いお菓子をのせるときは、食感やおいしさを保つため、にじみ止めの入った懐紙を使用してください。

 

●コースターや紙ナプキンとして使う

 

コースターがないときは、懐紙を折ってコースター代わりにします。特に、冷たい飲み物などグラスに結露ができるような場合は、プラスチックやシリコン、木などのコースターを使うより、吸水性が高くて丈夫な懐紙が便利です。おやつの時間や食事の時間に、おしゃれな紙ナプキンとしてテーブルに置いてもいいでしょう。
コースターや紙ナプキンとして使うなら、にじみ止めのないものが向いています。

 

●プレゼントやお土産をラッピングする

懐紙は、小さなプレゼントやお土産の包装紙としても活用できます。旅行のお土産に箱入りのお菓子を買ってきたときは、小分けして懐紙に包んで配ってみるのはいかがでしょうか。
たとえ中身がささやかなものでも、きれいにラッピングされているだけで、受け取るほうは開けるのが楽しくなりますし、そのまま渡さない気遣いそのものを嬉しく感じるでしょう。

 

●残ったお菓子を包んであげる

来客があったときには、残ったお菓子などをラッピングして持ち帰ってもらうと良いでしょう。お客さんが遠慮したり時間がなかったりして、茶菓子に手を付けなかったなら、さっと包んで「ご自宅でどうぞ」と渡してみてください。

 

 

5.懐紙の折り方

懐紙の折り方の基本をご説明します。折り方を間違えると、慶弔の意味が逆になってしまうので要注意です。知っていればいろいろなシーンで使える、箸袋とポチ袋の折り方もご紹介します。

 

●折り方の基本

懐紙にお菓子をのせるときには、手前に折り目を作って懐紙を二つ折りにし、その上にのせるのが決まった作法となっています。
慶事の席と弔事の席で懐紙にお菓子をのせて出す場合には、二つ折りにするとき必ず折り目を斜めにして角を合わせないように折ることになっていますが、慶事の席と弔事の席ではこの角のずらし方が真逆です。

 

●箸袋の折り方

1. 懐紙を横に四つ折りにする。

 

2. 上側の辺の左角を半分の線まで折り返し、下側の辺の左角を1/4の線まで折り返す。ここが箸袋の入口部分になる。

 

3. 角を折り返したまま、上下両方の辺を真ん中の線まで折り返す。

 

4. さらに真ん中の折り目で二つ折りにする。

 

5. 裏返して箸袋の入口の反対側を少し折り返し、箸の先が出ないようにする。

 

●心づけ用「ポチ袋」の折り方

 

1. 懐紙を山が2つできるように半分に折る。

 

2. 間に折りたたんだ紙幣を挟んで、上の部分を下に向かって折る。

 

3. お札の長さに合わせて上下を折る。

 

4. 上を下の中に入れこむ(反対にすると不祝儀になるので気をつける)。

 

6.懐紙はワンランク上の女性を演出するアイテム

和食マナーや慶事用、弔事用の折り方などを考えると、懐紙がマナーを極めるための道具のようで、少し窮屈な印象を持ってしまうかもしれません。

 

しかし懐紙は、平安貴族が使い始めたころから今日まで、思っている以上に身近な存在として自由な使い方をされてきました。マナーでがんじがらめになるためのものではなく、自由に便利に使うことで、大人の女性らしい気遣いを表現できるアイテムです。

 

まずは懐紙をバッグの中に入れて出掛けてみましょう。使い始めてみると、そのひと手間が楽しくなってくるかもしれません。

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