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和食の種類とマナー|料理別の正しい食べ方・お酒の飲み方

「和食」は、日本の伝統的な食文化です。旬の食材をふんだんに使って、四季の移ろいを表現した献立は、見た目にも美しく、フォーマルな場やお祝い事といった特別なイベントに華を添えます。日本人にとって欠かせない食事だからこそ、よりおいしく、スマートにいただきたいものですね。

今回は、和食のマナーを身に付けたい大人の女性のために、食べる順番や器の扱い方など正しい食事作法についてご紹介します。
「和食」は、日本の伝統的な食文化です。旬の食材をふんだんに使って、四季の移ろいを表現した献立は、見た目にも美しく、フォーマルな場やお祝い事といった特別なイベントに華を添えます。日本人にとって欠かせない食事だからこそ、よりおいしく、スマートにいただきたいものですね。

今回は、和食のマナーを身に付けたい大人の女性のために、食べる順番や器の扱い方など正しい食事作法についてご紹介します。

1.和食の種類と特徴

一口に和食といっても、日本料理には「本膳料理」「会席料理」「懐石料理」「精進料理」などの種類があります。それぞれの特徴を見てみましょう。

 

●本膳料理

室町時代に確立されて江戸時代に発展した、本格的なおもてなし料理です。二汁五菜を基本として、本膳、二の膳、三の膳、四(与)の膳、五の膳と続き、硯蓋(すずりぶた)と呼ばれる甘味類などで結びます。料理に使用する食材や盛る器は客の身分や役職により変えるなど、配膳の仕方や食事作法が細かく決められている、儀礼的な意味合いの強い食事でした。明治時代以降には廃れてしまい、現在では冠婚葬祭の料理や儀式に面影を残す程度となっています。

 

●会席料理

本膳料理を簡略化したコース形式の和食で、お酒を楽しむことを目的とした酒宴料理です。現在、正式な日本料理として料亭などで出されるのは、ほとんどがこの会席料理ですが、元は歌人や俳人らが歌と俳句を楽しむ俳諧(はいかい)の席(=会席)で出される料理でした。一汁三菜を基本として吸い物・煮物、刺し身、焼き物・焼き魚、蒸し物・和え物・酢の物と続き、最後に汁物とご飯、香の物(漬物)が出た後、水菓子(果物)で結ばれるのが一般的です。

 

●懐石料理

「会席料理」と読み方が同じで紛らわしいですが、懐石料理は、本来お茶の席で客をもてなすために振る舞われた簡単な軽食のことを指します。

飯碗、汁椀、向付(むこうづけ:お造りなど)の後、間に酒をはさみ、煮物、焼き物、預け鉢(炊き合わせなど)、吸い物と続いて、八寸(海の幸と山の幸の盛り合わせ)、湯桶(ゆとう:おこげの入った湯)と香の物が出され、最後は甘味で結ばれます。

 

●精進料理

仏教の戒律に基づいて中国で成立した、動物性の食材を避けた食事のことです。日本では鎌倉時代以降に発達し、野菜や豆類に代表される植物性の食材を加熱調理することから、調理技術や調理器具の発展に貢献したといわれています。現在でも、宿坊や寺院などで来客をもてなす際に振る舞われたり、レストランで提供されたりしています。御飯、汁物、平(炊き合わせ)、木皿(豆腐や野菜料理の盛り合わせ)、壺(おひたしなど)、香の物などが出され、正式な食事では朱塗りの食器が使われます。本膳料理のルーツであり、和食が発展する基盤となった料理でもあります。

 

 

2.和食の基本マナー

和食の中でも食べる機会が最も多い会席料理における基本のマナーについて解説します。箸や器の扱い方、食べ方などを押さえましょう。

 

●「懐紙」を持参すると便利

懐紙(ふところがみ/かいし)とは、着物の懐に入れて持ち歩き、ハンカチやメモ代わりに日常のいろいろな場面で使われていた小ぶりの和紙のことです。お茶席などで出される和菓子の下に敷いてある薄い紙を目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。それが懐紙です。

和食の席では、「料理を口に運ぶときの受け皿にする」「口元やグラスに付いた口紅などの汚れを拭う」「果物の種や焼き魚の小骨を口から出すときに口元を隠す」など、さまざまな用途で使えて、懐紙は大変便利です。おしぼりで口を拭いたり、こぼれたものを拭いたりする人がいますが、おしぼりは手を拭くためのものであるため、それ以外に使うことは避けてください。持参した懐紙は、汚れたものを置いて帰らずに必ず持ち帰るのがエチケットです。小ぶりのビニール袋などを準備しておくと良いでしょう。

 

●器の扱い方の基本

洋食では、器を手で取り上げるのはタブーとされていますが、和食の場合、手で持てるサイズの器は持ち上げても構いません。

まず両手で器を取り上げてから利き手を離し、反対の手でしっかりと器を持った状態で箸を取ります。片手で器を持ち上げたり、箸を持ったまま器を持ち替えたりするのはマナー違反なので注意しましょう。汁物や煮物の器は、お膳の右側なら右手、左側なら左手を使って取り、複数ある場合も重ねずに、お膳の右横のあたりに並べて置きます。

 

和食器の中には、繊細で高価なものがあります。料理とともに、美しい器の形や色合いも楽しみながら、大切に取り扱いましょう。また、器の上に箸を渡して置く「渡し箸」もマナーに反するので、箸を置くときは必ず箸置きを使用してください。箸置きがないときは、懐紙を折って箸置きの代わりに使うと良いでしょう。

 

●料理は必ず一口大にしてから口に運ぶ

料理に使われている具材が大きくても、一口かじったものを器に戻したり、大きすぎるまま一度に頬張ったりするのはマナー違反です。皿の上で一口大に切り分けてから食べましょう。

また、汁気のあるものを食べる際、こぼれないように手を皿の代わりにしてはいけません。汁が垂れるのが心配なときや、切り分けにくい食材を数回に分けて食べるときなどは、懐紙を使うとスマートです。

 

●料理は端のものから取る

料理の美しい盛り付けも、和食の魅力の一つです。好きな具材を探して器の中をかき回したり、皿のあちこちから少しずつ料理を取ったりするのは避けましょう。酢味噌や梅肉などが具材にかけてある和え物などの場合は、器の中で混ぜるのではなく、そのままの状態で具材を取り、酢味噌や梅肉を少しずつつけながら食べます。

数種類の具材が盛り合わせになっている場合は、見た目だけでなく味わいのバランスも考えられているので、盛り付けを崩さないよう手前や端から食べましょう。そうすることで、淡泊な味わいのものから順に楽しむことができます。

 

 

3.料理別の正しい食事作法

品数が多いときも迷わず食べられるように、ここでは、料理別の正しい食べ方と食べるときの注意点についてお伝えします。

 

●お酒

通常、お酒は「先付け」と呼ばれるおつまみと一緒に食事の序盤で出されます。

盃を持つときは、中指と薬指の間で盃の底部分を挟み、親指と人差し指で盃のふちを軽く支えるようにして持ちます。女性なら、左手の指を盃の下に軽く添えて両手で持って飲むとエレガントです。

 

升酒(ますざけ)を飲むときは、両手で升を持ち、角の部分に口を当てて飲みます。冷酒を頼むとグラスからあふれさせて升までなみなみと注がれることがありますが、はじめにグラスのお酒を飲み終えてから、升に残ったお酒をグラスに移して飲むのがスマートです。

 

お酌をするときは、お銚子(ちょうし)の首部分は持たずに中程を右手で持ち、左手を添えて盃に注ぎます。お酌を受けるときは右手で盃を持って盃の底に左手を添え、両手で受けます。お酌されたら必ず一口飲んでから盃を置き、相手にもお酌をしましょう。盃に残っているお酒は飲み干してからお酌を受けるほうが良いですが、すぐに飲めない場合は「失礼します」と一言添え、注ぎ足してもらう形でお酌を受けても失礼にはあたりません。ただし、盃を持たずにテーブルに置いたままでお酌を受けたり、反対に、置かれたままの盃にお酒を注いだりするのはマナー違反です。必ず相手に一言声をかけ、盃を手に持った状態で行いましょう。

 

●前菜

本格的な食事が始まる前に出されるお通しのことで、季節の食材が少しずつ盛り合わせられています。小鉢であれば手に持ち、串に刺してある料理は箸を使って串から外して、一口ずつ食べましょう。

 

●刺し身

刺し身を食べるときは、醤油をつけすぎて口に運ぶまでに垂らしてしまわないよう、注意が必要です。心配な人は、醤油の小皿を持ち上げるか、懐紙で受けながら食べましょう。わさびは醤油に溶いても構いませんが、直接刺し身に少しずつ乗せると、わさびの香りをより楽しめます。

舟盛りの場合は、上座の人から順に取ります。取り分けるときに自分の箸をひっくり返して持ち手の部分を使う人がいますが、不衛生なのでマナー違反とされています。取り箸が用意されていないときは、周囲の人に断りを入れてから自分の箸をそのまま使い、自分の食べる部分以外に箸が触れないように気をつけて取りましょう。

 

●焼き物・蒸し物

焼き物といえば焼き魚が一般的ですが、切り身でも尾頭付きでも、基本は左側から少しずつ食べれば問題ありません。尾頭付きの場合、背側の左側から小骨を取り除きながら食べ、半身を食べ終えたら裏返さずに中骨をつまんで外し、頭と骨を皿の向こう側に寄せてから残りを食べます。骨を外す際は左手を使ってもマナー違反にはなりませんが、懐紙で押さえるとよりスマートです。小骨や皮など、残ったものは皿の端に寄せ、懐紙があれば上からかぶせて隠しておくのも良いでしょう。

蒸し物の場合、茶碗蒸しなど箸で食べにくいものにはスプーンが添えられているので、器に手を添えながら、スプーンを使って食べます。器が熱くなければ、器を手で持っても構いません。食べ終わったらスプーンを元の位置に戻し、外したふたは元の向きで器にかぶせます。

 

●揚げ物

揚げ物は天ぷらが出てくることが多いでしょう。天つゆと一緒に大根おろしや生姜、塩、カボスなどが添えられているので、自分の好みで使って問題ありません。天つゆが滴ったり、衣が剥がれて落ちたりしないよう、懐紙をうまく使いましょう。大きめの野菜やイカなど箸で一口大に切り分けにくいものは、口元を懐紙で隠しながら2~3口に分け、少しずつ食べます。

 

●そば・うどん

そばに添えられているわさびは、箸に少しだけつけてから一口分のそばを取り、そばの四分の一ほどをつゆにくぐらせて素早く口に運びます。気取らないお店なら問題ありませんが、改まった雰囲気の店での食事の場合、大きな音を立ててそばをすするのは避けましょう。温かいうどんなどの場合は丼を手に持ち、直接口をつけてつゆを飲んでも構いません。

 

●椀物

椀物のふたがくっついてしまっているときは、左手で軽く押さえながらふたを取ると簡単に外れます。ふたについたしずくが垂れてしまうことがあるので、外したら軽く持ち上げたまま少し傾けてしずくが落ちるのを待ち、そっとお膳の右側に置きます。

●ご飯

ご飯と味噌汁が出てきたら、お酒を飲むのをストップします。

まずは味噌汁に口をつけ、その後にご飯を一口食べましょう。食べる順序に正式な決まりはありませんが、ご飯だけ先に食べたり汁物を飲み干したりせず、ご飯、汁物、香の物を交互に口に運ぶとおいしく食べられます。

 

●デザート

果物やちょっとした甘味が出されると、いよいよ食事も終わりに近づきます。果物の場合は種や皮が残ることがあるので、皿の一箇所にまとめておき、上から懐紙をかぶせて見苦しくないようにしましょう。

 

 

4.正しいマナーを身に付けてワンランク上の女性を目指す

和食の席に参加したことはあるものの、細かい食事作法まで意識せず、「気づかないうちにマナー違反にあたる行為をしてしまっていた」という人もいるのではないでしょうか。高級料亭など改まった席での食事に限らず、和食は日本人が日ごろから親しんでいるもの。きちんとした和食のマナーを身に付け、毎日のランチやちょっとした飲み会の席でもスマートに振る舞うことができれば、これまでよりもさらに上品で素敵な女性になれるでしょう。いざというときに慌てずに済むよう、今回ご紹介した和食のマナーを覚えて、ぜひ実践してみてください。

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